夕立の庭 - 1
 買ったばかりのCDを抱え、いつものカフェに立ち寄る。
 陽のよく当たる場所。窓の外を見上げると、四角く切り取ったような空は、それでも雲ひとつなく。深い青色を見せていた。

 夕方頃に一雨来る虞があるので、傘を持って出かけましょう。

 朝のニュースでやっていた天気予報。あのキャスターの予報は当たると専ら評判だけれど。
 こんな、雲ひとつない空。どうして雨が降るっていうのだろう?
 曇りにすら、ならないんじゃないかな。

 暫く。その空を眺めていたけれど。変わり映えしないその色に、視線を戻した。
 氷が解けて薄くなったコーヒーを飲み干し、時計を見る。
 もう直ぐ、午後の診察の終わる時間だった。
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